2008.11.25 Tuesday
競争社会では弱者救済が必ずしも善ではない
先日紹介しました孫正義 起業のカリスマ (講談社プラスアルファ文庫)の中に、
ソフトバンクがプロ野球球団を所有する際のエピソードが載っていました。
あの頃のことを覚えてらっしゃる方もいると思いますがライブドアや楽天が
球団買収交渉に苦戦していたにもかかわらず、ソフトバンクだけはなぜか
スムーズに事が進んでいました。
ソフトバンクがプロ野球球団を所有する際のエピソードが載っていました。
あの頃のことを覚えてらっしゃる方もいると思いますがライブドアや楽天が
球団買収交渉に苦戦していたにもかかわらず、ソフトバンクだけはなぜか
スムーズに事が進んでいました。
それはまさに孫さんのすばらしい交渉テクニックがものをいうわけですが
野球界と経済界を比して、孫さんの発言の中にこういうものがありました。
一時、ドラフトやFAなどの選手獲得のルールについて、弱い球団から
交渉権を持つことにしてみないか?との話が持ち上がりました。
その時孫さんは「絶対反対だ。弱いチームを救済することが善とするのは
おかしい。そんなことをしては球界全体の低迷を招くことになりかねない!」
「球界や経済界のような競争社会では市場主義を全うすべきである。」
と仰ったそうです。
各チームのトップ、オーナーの手腕がものをいう今のやり方でなくては
見ている人たちがおもしろくない。と。
(競争社会が善なのかどうかは別として)確かにその通りだと、思いました。
巨人が良い選手ばかりを集めても使いこなせていなかった頃
そんなときに阪神のトップの考え方1つでチームを優勝させることができました。
そんな阪神で活躍したい!とトップレベルの選手が思い始める。
この流れが普通だと思いますし、見ている方もワクワクドキドキします。
それは巨人ファンも同じだと思います。
そこまで考えた理屈は、見事に見る人の心理を突いています。
今経済界では、アメリカが弱者救済を全力で行っています。
見たことのないお金がどんどん市場に出回り始めています。
これで良いのでしょうか。
孫さんの理論で行くと米経済全体の低迷を招くことになるかもしれません。
一時的には良しとしても・・・。